| 醤油は左の図で示したような行程で作られます。 詳しい説明は、それぞれの工程のイラストをクリックすると、下のフレームに表示されます。 |
原材料
第2次世界大戦の戦中戦後の原料事情の悪化により、脱脂加工大豆が使用されるようになりました。しかし、その後食糧事情が好転したにもかかわらず、ほとんどの醤油メーカーで脱脂加工大豆を醤油原料として使い続けています。
その理由は
などの理由からによります。
などが考えられます。
脱脂加工大豆の仕込みはアルコール発酵が丸大豆に劣り、製品しょう油にグリセリン、エタノールが少なく、有機酸が多いとされているます。
日本醤油研究所の工業試験結果では本質的に優劣がないと報告されています。色沢は脱脂大豆の方が濃くなります。
日本で生産される小麦の量が年々減少していることです。
蒸煮の目的は蛋白質の熱変成を起こさせることです。また、蛋白質以外の成分にも物理的、化学的変化を与え、麹菌や微生物の作用を受けやすくします。
蒸煮の方法は最も古い方法は多量の水とともに煮ますが、現在は圧力をかけて蒸気だけで蒸煮します。
炒ごうの目的は小麦を高熱によって急激に膨張させ割砕されやすい状態にすると同時にでんぷんをアルファー化し、酵素作用を受けやすくするためです。また炒ごうによって小麦に付着する有害微生物を高熱で死滅させる作用もあります。
麹は大豆と小麦を混ぜ、種麹を与え、麹室でつくります。麹室は室温が20度〜30度の間で容易に調節できる室でなければなりません。
従来の麹室の換気は天窓と出入口の開閉によって行うので、湿気が少な状態となります。
機械麹室では飽和に近い湿度の空気を送るので麹菌はよく繁殖し、糖類の蓄積も多い麹ができます。しかしながら、湿度が高いため、雑菌におかされやすいので作業後の洗浄、消毒が必要です。雑菌が繁殖すると、麹そのものの香気および製品の香味を劣化させるので細心の注意が必要です。
製造された麹は、食塩水と混合されながら仕込みタンクまたは桶に輸送され、これがもろみとなります。食塩水の濃度は、最後の出来上がりが17%になるようにします。食塩水の濃度は仕込み蔵の構造がどうであるか、たとえば屋根がトタンかスレートか瓦とかいうことや、仕込みを行う容器の深さ、表面積の大小、麹の重量または水分、大豆と小麦の混合比、もろみの溶解の大小などによって仕上がりがことなるので、個々の実験データをもとに算出します。
もろみに生育しその熟成に関与する酵母や乳酸菌の類は、主として麹に本来存在しますが、その他の隣接のもろみや醸造場の空気から入ってくる物もあります。管理がしっかりとした醸造場ではもろみに繁殖し自然に熟成が達せられます。特に設備が完備した工場で微生物学的に配慮されているところでは、優秀な有用微生物が生育するように自ら環境が作られます。
もろみは麹と食塩水を混合した物で、常に飽和状態におく目的で撹拌を行います。仕込み当初の麹は菌糸が原料の周囲をくるみ、容易に水をしみこませないために麹は浮上する傾向があります。この状態で放置すると麹が少し湿潤であるから自家消化して発熱し、アンモニアさえ発生し、熟成後の醤油の香気を害します。これを予防するために行う新仕込みの撹拌方法を「荒がい(櫂)」といいます。 荒がいの終了後は、季節、もろみの発酵、熟成状態により空気撹拌を行います。
荒がいは仕込み桶の中央に胴桶をいれ、その中に溜まった液を圧搾空気で噴出させ周囲のもろみにしみこませる方法です。荒がいがすんだもろみは普通の撹拌方法がとられます。撹拌の回数は、発酵開始に向かう時期は比較的多く撹拌し、その衰退期には控えます。